4日間のリストラティブヨガ・ティーチャートレーニングの報告です。 報告兼ねて、語ってみたいと思います。
その前に、リストラティブヨガとは何ぞや????
”RESTORATIVE”・ ”RESTORE" の形容詞。 ヨガを通し、疲れを癒したり、高ぶっている神経を落ち着かせたりなど、心身の回復を目指していきます。
他のヨガと、どう違うのか。 それはたくさんのプロップと言われる補助用具を使います。
ブランケット(毛布)から始まり、ボルスター(抱き枕)、ブロック、 ストラップ(紐) などなど。 椅子を使ったり、机を使ったり、壁を使ったり、砂袋のような重りを用いたり、専門のスタジオ(主にアイアンガーヨガ)では、それ専門の器具が用意されていたりします。
それらの補助用具をありとあらゆる形で使い、床と自分の体の隙間をなくし、重力に身を任せ、心身共に地球にゆだねてしまうのです。
身をゆだねつつ、この写真のポーズは、股関節を刺激しています。 ボルスターやブランケットを重ねて、体の下に敷くことによって、無理のないように体を開いているのです。
個々の体の柔軟性や体格に合わせて、 地球との隙間を埋めていきます。
基本的にリストラティブヨガに動きはありません。 クラスによっては、最初に軽く柔軟体操のような形で体をほぐしてから、リストラティブのポーズに入っていきますが、ひとつのポーズにじっくりと時間をかけ、その日のクラスのテーマや体の症状に合わせて、4-5つの静止ポーズを続けていくものです。
アクティブな方にとっては、非常に物足りないヨガに終わります。 下手すれば寝てしまいます。 普段動きの激しい方には、じっとしていることが苦痛に感じたりもするでしょう。
しかしながら、テクノロジーに囲まれる忙しい現代人にとって、このヨガは非常に注目を浴びています。
動きがないとはいえ、無理なく、ところどころ体を刺激しているので、同時に副交感神経を刺激しています。
現代はやりのウツ、自律神経失調症、ストレスなどなど。 神経の失調は、ありとあらゆる病気をも引き起こします。 副交感神経を刺激することは、それらの症状を中和させるのに役立ち、心を落ち着かせ、心身共にリラックスできる状態にもっていくことができます。 同時に免疫を高め、心拍数、血圧をも下げていきます。
こちらの写真は、サイドストレッチ・リストラティブバージョンです。 床との隙間を見事に埋めているでしょう? 補助する先生も自分の体に無理のない体勢で生徒の体伸ばしを手伝っています。
そして使っている補助用具、これは全部、宿泊先のホテルからお借りしてきたもの。 大きい毛布に、バスタオルです。
今回取った、このトレーニングは、YOGAFIT というトレーニングシステムからで、「万人による万人のためヨガ」を目標にスローガンを掲げています。
何も高価なヨガウエアに身を包む必要はない、おしゃれなヨガスタジオに何十ドル(何千円?)も払ってクラスを取る必要はない、近くのコミュニティセンターやフィットネスジムで安価に気軽に老若男女誰もが 健康を維持するためのヨガを広めようという、(わたしなりの解釈がかなり入っていますが。 )ユーザーフレンドリーなトレーニングをモットーにしています。
なので、バスタオルだっていいじゃない、普通のタオルだっていいじゃない。 という感じでしょうか。
リストラティブヨガの大元はアイアンガーヨガです。 アイアンガーヨガは、それこそ、たくさんの補助用具を使って、体の柔軟性・体格などに合わせて無理なくポーズを取っていくヨガです。 アライメント(ポーズを行うときに、位置すべき体各箇所・動き)の正確さ、厳しさは他に例を見ません。 指導者もずっと喋り続けているのが特徴です。
アイアンガーでは、補助用具の使い方も、それはそれは細かく、数多くのブランケットのたたみ方を学ぶ必要があり、ストラップの締め方、ストラップの付いているバックルが体にあるべき位置、ストラップは足からではなく頭からくぐらせる等々、、、、、、。 一般的なアメリカ人じゃ無理だろう、と言いたくなるようなお決まりごとのオンパレードです。
体よりも常に頭を働かせなくてはいけません。
わたしは当初、この動きのないアイアンガーの堅苦しさが好きではなかったのですが、ヨガを教えるにあたり、細かいアライメントの知識は、特にセラピー系のヨガでは、必要不可欠であると身にしみて感じるようになり、アイアンガーを通して学び直すようになりました。
アイアンガーを練習していると、リストラティブのポーズというのは、わざわざリストラティブクラスに出なくても、最後のリラックスポーズの一環として学んでいくことができます。
なので、今回受けたリストラティブトレーニングも高をくくっていたところがあるのですが、この「万人による万人のためのヨガシステム」ヨガフィットで、もっと肩の力を抜いて臨んでいいんだ、という、どこか拍子抜けというか、それこそ、使用された教科書の題名である、「RELAX & RENEW」 の思いを持つことができました。
そして、ジムで教えるのがメインのわたしには、リストラティブのトレーニングはすぐには役立たないだろうと思っていたのですが、意外や意外。 今日のシニアクラスの生徒さんが、以前コミュニティセンターにて、アイアンガーの先生から習っていたらしく、ブランケット3枚、ブロック2つにストラップと、フル装備でクラスに現れました。
「先生、これ使えませんか?」と。
他の生徒さんが、「一体、これは何に使うのか?」と興味深げだったので、簡単なリストラティブのポーズをブランケットを使いさっそく披露しました。
80歳は越えるであろう生徒さんも目を見開き、これはいいわね、と驚かれました。
皆さん、どこで買えるのか、と意気揚々の雰囲気になってしまいましたが、高齢の方々に重いブランケットをクラスの度に運ばせるのもどうかと思い、とりあえずこんな形のヨガもあるんですよ、と締めたのですが、お持ちだった方が、運動にもなるので毎回クラスに運びます、とのこと。
そして、次回からは、集まったプロップの様子で、交代でポーズの練習をしてみるのはどうか、と、いきなり、リストラティブヨガ実践モードになってきました、、、、。 (^^;)
うれしい悲鳴のワタクシです。
こちらは、まったく関係ないのですが、トレーニングの中日(なかび)に、晩餐会+親睦会のようなものが行われ、何故かアクロパートナーヨガの披露がありました。
上の写真の方々、みなさん、50歳越えてるんですよ。 教科書見るときは老眼鏡です。 いやーーヨガって恐ろしいですね、、、。
以上、トレーニング報告でした!
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