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2010-04-29

おみそ物語

毎年、春先にお味噌を仕込んでいます。

もともとのきっかけは、最初に住んだアメリカの地がとてつもないド田舎で、物の揃う日系マーケットへは、車を5時間走らせなくては手に入らなかったのです。 (軽く10年は越えた昔のお話ですが。)

納豆恋しさに100円の納豆を800円の送料かけて日本から送ってもらったこともありました。

カリフォルニアに移る際に、100円の納豆で泣くまい、自分で作ったる!と意志を固め「手作り食品のつくりかた」なる本をにがりと共に日本から運んできました。

以来ありとあらゆる大豆食品、納豆、豆腐、湯葉、豆乳などを作ってみたのですが、ここは南カリフォルニア、30分もかからずに大きな日系のマーケットに足が伸ばせます。 そしていとも簡単にセールの納豆やら豆腐やら、その気になればもちろんオーガニック物も手に入ってしまう恵まれた環境なのです、、、、、。

豆乳に至っては、中華系の豆腐屋さんが熱々の豆乳を毎週土曜日の朝には、アジア系のマーケットに届けてくれます。  熱々の油揚げまで売ってます。

そして、子育てが山場を迎えるにあたり、とてもとても「納豆手作り」なんてやっていられなくなりました。

なのですが、続いているもの。  それがお味噌仕込みなのです。

有り難いことに、乾燥こうじが手に入ります。  自然食品のお店からオーガニック(遺伝子組み換えでない)の大豆。 そしてあとは、海のお塩があれば準備万端です。



春先の我が家の恒例行事で、煮上がった大豆は家族で交代で、すりこぎでつぶします。  

今年は圧力鍋で豆を煮てみたところ、普段より柔らかくなりすぎてしまい、マッシャーで誰の手も借りずに簡単につぶせてしまいました、、。   (これはこれでちょっと寂しいものがありましたが。)



ちょっと柔らかめのゆるい感じの豆にこうじと塩を混ぜ混ぜしながら、大事なおまじないをかけます。


「おいしくなりますように♪」  「おいしくなりますように♪」


このおまじないは強力です。  まず失敗した試しがありません。

おまじないをかけられたフニャフニャ状態のお味噌前ちゃんを現代的にジップロックに分け空気をしっかり抜いて、さらに大きめのタッパーに入れ、棚に半年程、寝てもらいます。

仕込みは至って簡単です。

そして次に大事なのは、時折ご機嫌を伺うことです。

仕込んだことを忘れてはいけません。

特に気を付けなくてはいけないのが夏場。  外気が30度を超えた日が続くときに棚に放置しておこうものなら、大変なことになります。   味噌って腐るの?  状態になります。  なので、慌てて冷蔵庫に放り込みます。

こんな感じで秋口ぐらいまで涼しいところに避難してもらい、ほとぼりが冷めた頃に棚に戻してあげてます。

かなりいい加減に聞こえるお味噌育てですが、これがいい感じで仕上がるのです。  (子育てもこんな感じでいくといいのですが。)


「お味噌作ったの♪ 食べてみて」


なんて宣伝しなくても、百発百中、日本人の方なら作った味噌だとわかります。

大豆の形が残ってたりするせいもありますが、「添加物の入っていない味噌の味」というのはやはり明らかに違います。



現代の人がお味噌作りを大変なことと捉えてしまうのは、おそらくその「置き場所」と「熟成させている間の時間」が長くかかるからなのでしょう。


何はともあれ、「畑の牛肉」と言われる大豆。    そんな大豆製品を身近に食生活に取り入れられる日本の食文化は、 本当に素晴らしいです。    お味噌万歳。


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